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AQFPマイクロプロセッサの顕微鏡写真 

AQFP Logic

断熱量子磁束パラメトロン(Adiabatic Quantum-Flux-Parametron: AQFP)回路は、低消費電力性に優れた超伝導回路です。 

1980年代に後藤英一氏らは、元となるQFP回路を提案しました。より以前の後藤氏の発明であるパラメトロンは1950年代~1960年代に初期の日本のコンピュータで用いられていましたが、QFPはその超伝導(ジョセフソン接合)バージョンになります。 

その後2010年代より、我々の研究室では、QFP回路の低消費電力性を最大限に活かすために、回路パラメータを最適化し、最先端の作製プロセスを用いたより低消費電力なAQFP回路を提案しました。回路のポテンシャルエネルギーの形状をゆっくり変化させることができる断熱スイッチを採用しており、回路の動作周波数がGHz帯であっても断熱動作が可能です。 

 

これまでAQFP加算器の5 GHz動作時の接合あたりの消費エネルギーが1.4 zJ(4.2 Kにおける熱エネルギーに対して24倍)であることを実測しました。 

さらに、AQFP回路を用いた初のマイクロプロセッサを開発し、動作実証に成功しました。 

 

現在、AQFP回路を用いたマイクロプロセッサ、超伝導光子検出器、量子計算機のインターフェイス回路、可逆計算機、確率論的計算など様々な分野への応用にむけて研究しています。 

©2023 by Yoshikawa Laboratory

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